なぜ「容疑者Xの献身」の石神ってカッコいいのか。
ガリレオシリーズのことはよく知らなかったので、推理物かあ、全部見ようかな、どうしようかなと思っていたんですが、見てよかった。わたしが思い描いていた王道推理物とはちょっと違いました。何より途中から石神というキャラクターに感情移入して、涙するほどにのめりこんでしまいました。
そう感じる人はわたしの他にもたくさんいたみたいです。「容疑者Xの献身」で検索したらすぐにこんなページが。
容疑者Xの献身の石神ってカッコいいよな(ソニック速報)
ほとんど言いたいことはこのページに書いてあるのですが、改めて石神がどんなキャラクターだったか振り返りながら、わたしなりの感想を書いていこうと思います。
なので、ここから先はネタバレ注意。あと、原作は読んでません。
(左が石神、右は「変人ガリレオ」こと、このシリーズのアイコン湯川学)
堤真一演じる、数学の天才
高校の数学教師として教壇に立っている石神は、湯川の大学時代の同期です。その頭脳は湯川をもってして「天才」と言わしめるほど。頭の良さだけではなく、湯川に渡された数学の問題を、なんの得もないのに徹夜して解くなど、数学に対する情熱も伺えます。
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/24(水) 01:22:38.09 id:QbrvICIk0
これ何かしらんがすげー泣いたわ
最後獄中で天井に三角問題を脳内で描いてたとこ、石神の純粋さが切なすぎたわ
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/24(水) 01:25:47.13 id:Z2lmto4j0
四色問題な
ひたすら好奇心から学問を探求していく石神には、その高度な頭脳とは裏腹に、まるでこどものような純粋さも感じます。
上で言われているように、留置場入りになった石神が目を輝かせながら、天井の染みをつなぎ合わせて四色問題を展開させるシーンがよかったんだあ~。
赤、青、黄色、緑…夢みたいな美しい情景と、その場所が留置場だというギャップに心を掴まれます。石神と湯川の顔を交互に映す演出もずるいなあ。二人とも専門は違えど、志を同じくして学び合った学友だったのに。
この時、石神はなにを感じていたんだろう。満足感かな、虚無感かな。
あたまはいいけど、「おまえら」みたい。
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/24(水) 00:37:51.63 ID:74Vq3s3Y0
おまえらを美化した感じ
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/24(水) 00:38:32.81 id:BbpF62ap0
>>7
わかるだから憧れる
後からわかることですが、石神は自殺を考えロープに首をかけることもしています。世の中に絶望し、ある一点までは人を心から愛したこともありませんでした。石神を「友達」と呼び気に掛ける湯川にも、「僕には友達はいないよ」と冷たく返します。
「おまえら」というと漠然としていますが、湯川学と対局に位置する人物と考えるとわかりやすいかもしれません。湯川は頭脳明晰、スポーツ万能で容姿端麗。彼が大学で開く講義には、湯川目当てのギャルが多く集まります。ちょっとニュアンスは違うかもしれませんが、簡単に言うと「リア充」です。
実際、石神が湯川に「君はいつまでも若若しくていいなあ」と言うシーンもあります。
完璧を体現したような湯川よりも、恋愛事に疎く、生徒たちから無視され続ける、下を向いて歩いたり白髪の多い石神の方が、感情移入しやすい人は多いと思います。
「天才」なのに、オレらとおんなじ。
これが私たちに親近感を抱かせ、石神の行動に感動させられるのです。
純粋で一途な石神の「愛」
話の本筋に触れると、石神はある一人の女性に対する恋心から、湯川までも苦戦させるような犯罪を完璧にやりとげます。
自分が報われることは考えず、むしろその女性が幸せになるなら、自分はどうなろうとそれだけで幸せだと考えているのです。「容疑者Xの献身」何気なく耳にすることの多かったタイトルですが、映画を見て納得しました。まさに石神は献身的で、相手のためなら殺人さえ経験してしまえるのでした。
大事なのは、その愛が狂気的なものだと思えないところです。普通、人さえ殺してしまえるような愛とは狂気的なものなはずです。途中少し石神の異常さを見せる描写もあります。しかし、それもこれも全て石神の計算、彼の頭の良さとその強い恋心をもってすれば、そうもなるかもしれないなと納得させられるのです。
それでも最後は思い通りにならない。
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/24(水) 01:27:56.10 ID:xh+LJtwLO
最後の泣きながらの何では心にきた
愛する人のために他の何もかもを捨てた石神。椅子に登ってロープに首をかけたところからの、恋心を育んでいく流れは切なくて仕方なかった。不器用な彼が愛する物を守り遂げたことに感動すら感じました。
でも、「容疑者Xの献身」はすごかった。
それだけじゃ終わらなかった。
「私たちだけ幸せにはなれません」と泣き叫び、「私も一緒に罪を償います」と崩れ落ちる想い人を前に、それまで何もかも諦めきったようだった石神の表情が歪みます。ただ彼は言います。
「どうして!」
堤真一さんの演技もすごかったし、見ている人にじわじわじわじわ大きなキズを負わせる演出もすごかった。
彼の想いは届かなかったんです。
一生に一度だと覚悟して、湯川という友人すら切り捨てて、その幸せを守り切ったつもりだった彼女からの「ごめんなさい」のその意味。
石神に感情移入しきってたわたしは、辛くてつらくて石神が泣くのと同時に泣いてました。彼の恋は、取り返しのつかないところまで行って、唐突に終わらされてしまったんだと思います。
こんなの、好きにならないわけがない。
また、あまり素性のわからない、何を考えているのかなかなか掴めない湯川の、昔からの友人だったというのも、石神が魅力的な理由だと思います。
魅力的なキャラクターの出る映画は良い映画です。
「容疑者Xの献身」思っていたよりずっと良い映画でした。
咆哮する石神の声を聴きながら、全て理解して歯を食いしばる湯川の演技もすごかった。福山雅治はやっぱり漫画の世界から出てきた人物か、人間の理想を詰め込んだ高度なロボットに見える。そんな彼の人間臭い演技って心に沁みました。
来週土曜プレミアムは「真夏の方程式」が放送されるみたいです!
見ようかな!